猫の交差点

食べもののこと、登ったこと、思ったこと。

ヨセミテのこと

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2018年10月にアメリカのヨセミテ国立公園でクライミングをしてきた。
朝ご飯を食べて、車を運転して、世界一の花崗岩を横目に見ながら木々の間を歩き、あーだこーだ言いながら岩にとりつき、サンドイッチをほうばり、みんなで晩ごはんを作って食べて寝る、という最高な日々を過ごした。

ライミング記録及びただの感想を日付順に。

 

 

  
■0日目 大移動

 

2018年10月19日(金)
今回のツアーはTKB(夫)と、友達4人で計6人のツアー。
成田〜サンフランシスコと飛行機で移動。
出発は19日17時で、到着は19日10時半、という時差によるタイムワープを経験。

空港でレンタカーを借りて出発したのはなんだかんだ13時。
今回は、6人中4人が日本からクラッシュパッドを持っていった。荷物ピックアップのベルトコンベアにクラッシュパッドが出てこなくて、不安になっていたら、規格外の荷物のところに置いてあった。なるほど、クラッシュパッドは規格外なのね、学んだ。(超過料金はかからなかったけど)
など、いろいろ時間かかった。


今回の旅のお供のレンタカー。
クラッシュパッドを入れる用の大きい車と、普通のセダンをレンタル。
大きい方の白い車は、車体も荷物も重いので、アクセルもブレーキも利きが遅く、車内では「クッパカー」と呼ばれていた。


サンフランシスコ側から、サン・マテオ橋を渡っているところ。
超でかいアクアラインみたいな感じで、海の上を走っている。絶景なわけですが、ガスってた。


サンフランシスコから1時間ぐらいのDublinという街のSafewayで一週間分の食料を買い出し。
写真のカートは1台だけど、実際は2台+αぐらい買った。総額$400超え(レジで言われるがままSafewayカードに登録したらその場で$45ぐらい安くなった。すごい)


車に詰めた様子。もう一台の車にも結構入れてた。
買ってよかったものは後でまとめるとして、海外のスーパーでの買い物はめっちゃテンションが上がった。最高である。
しかし、買い物でハイテンションだったのは私ぐらいで、この夕方ぐらいの時間帯が時差ボケピークで、全員の目が死にかけていた。
移動+買い出しにも結構時間がかかり、買い出しが終わったのが17時ごろ。日本でいったら深夜2〜3時ぐらいだから、仕方ない。
予定では、この時間ぐらいまでにMercedという街まで行って夕飯食べよう、と話していたが、遠い夢物語。

Dublinで早めの夕飯とコーヒーを摂取して、ヨセミテへ。
しかし、夕方の時間帯はフリーウェイが結構渋滞するので、何にもなくても4時間ぐらいかかる道のりが更に遅くなり、結局今回の宿(ヨセミテ園内のロッジ)に着いたのは日付をまたいだ0:05ごろ。
交代はしたものの、合計で10時間ぐらい運転してた。
次回行くことがあったら、渋滞を避けるかフレズノから行きたい…。

初日からクライミング以外のことでハードだったけど、とにかく無事について何より。


■1日目 昼から登るよCamp4


2018年10月20日(土)

初日の朝ごはん。ヌテラもどきのヘーゼルナッツチョコレートペーストwithバナナ最高!

前日のダメージをひきずって宿の出発は11時すぎ。
いろいろエリアはあるけれど、とりあえずまずはCamp4行ってみよう!ということでCamp4駐車場へ。
到着はお昼すぎ。のんびりクライミング


1年ぶりのCamp4!
テントサイトの受付が紙に記入になっている、というシステム変更(10月かららしい。繁忙期は戻るのかなー)はあれど、相変わらずの掲示板とか、テントサイトの熊BOXとか、乾いた空気とか、懐かしい。

以下、登ったり触ったりした課題。未完登課題が多すぎる。

エリア:Camp4 Columbia Boulders
Big Columbia
・Midnight lightning V8(未トライ)
 たまたまトライしてた日本人の方々と話したり、スタートだけ触ってみたり。
 まずはアップせな。

エリア:Camp4 West
Wine Boulderの隣の小さい岩
・Unnamed VB
 上部にガバのあるラインを直上。アップしてください!といわんばかり。
 でも3トライぐらいかけた。
Marco’s Traverse V1
 欲しいところに足がないけど、アンダーを持って頑張ってリップとろう、という課題。

Wine Boulder
・Unnamed V0
 カンテ沿いを登るライン。スタートから初手のピンチを取るまで高めの足に乗り込むのが難しかった。登りきった後のクライムダウンが怖いというのが一番の核心。
・Unnamed VB
 上記のV0の途中からスラブ面をトラバースする。難しくないけど高さのあるところをトラバースする恐怖心の克服が大変。ぜいぜいしながら登る。


Wine Boulder VBのトラバースをぜいぜいしながら登るの図。
高さがわかりにくいけど、登っていると緊張する高さ。
そして、この時、ヨセミテに持っていった唯一のクライミングパンツに穴が開いていることが判明。とりあえずテーピングして登っているけど、マジどうしようと思っていた。

無名?
・Initial Friction V1(未完登)
 え、V1?ってぐらいの素敵&怖いスラブ。私はスタート+1手ぐらいしか出せなかった。でもスラブのための岩ですってぐらいきれいなスラブ。
 一緒だったらクライマーさんが、ここでソールを無駄にしたと笑っていたのが印象深い。Cocaine Corner V5の横にある課題。

Initial Frictionを登るお強いクライマーさん。この人も相当トライしていた。
最後のほう、あまり手がない中、ハイステップに乗り込むさまは見ているだけで手汗もの。


道歩いてたら鹿さんに遭遇。
ヨセミテ園内には普通に野生動物いっぱい。
Camp4のトイレでは、熊に加えて、Mountain Lion(ピューマのこと)が出るから気をつけろという張り紙があった。どう気をつければいいんだろうか…。

Titanic Boulder
 Camp4 Westの一番西側のはしっこにある岩。ちょっとトレイルから外れているけど、トレイルから目視可能。
・Unnamed V3(未完登)
 低めのカチからスタートする課題。初手、2手目もカチ、そこを超えればガバ→リップ→マントル。カチを超えれば!と思ってトライしたものの、バランスの悪いカチを抑えきれず。
・Battle of the Bulge V6(未完登)
 スタートはガバなものの、うっすらとしたカチとつるっとしたハイステップに乗り込んで遠いスローパーを取りに行く課題。
 昨年さっぱりできなかった課題だったけど、リップ手前まで進む。リップ手前のスローパーのマッチのバランスをとりきれず終了。

この日はTitanic Boulderで、18時半ぐらいになり、すでに夕焼けは終わり、徐々に暗くなっていた。
宿に戻って夕飯。みんなで本日の撮影した動画や写真を見て談笑。各自お風呂入って就寝。


■2日目 こんにちはSentinel Boulders


2018年10月21日(日)
この日は、メンバーのうち2人が、ガイドさん付きでマルチを登りに行くので、ボルダー組は別行動。
マルチ組が早起きなので、我々も!って起きたけど、結局家を出たのは9時ぐらい。
行ったことないエリアに行ってみよう、ということでSentinel Bouldersエリアを目指す。

エリア:Sentinel Boulders
こちらのエリアは、4 mile trailというトレイル沿いに岩が点在しているので、とても見つけやすかった。駐車場も、4 mile trail用の駐車場があるので分かりやすい。
ただ、この日は4 mile trailの駐車場がいっぱいで、そのちょっと先にある吊橋の近くの駐車場にとめて、そこから歩いてエリアへ。


Sentinel Bouldersエリアの最初にあるB-1 Boulder。その大きさを表現したい私。
見えている面は、Sentinel Traverse V6 などがある面。この裏側に、No Holds Bard V7とかがある。とりあえず大きい。わりと開けたところにあるので、突然の大きさ感すごい。


とりあえずアップしましょーということで、こちらの岩をおさわり。
この日は10時台に登り始めたけど、陽が差すのが遅い場所だったので最初寒かった。11時ごろに太陽が見えたら一気に暖かくなった。

Midget Boulders
大きめの岩と小さめの岩のセット。上記写真は小さめの岩の方。
・Unnamed V1
 写真の岩の、真ん中あたりを直上する課題。途中の棚はマントル返せるぐらい幅がある。
・Door Knocker V0
 足がちょっと悪いけど、ガバカチスタートで、小さな棚に乗り込んでリップ手前のカチを取る課題。カンテ沿いなのでバランスも必要で面白かった。
・Door Knocker Traverse V3(未完登)
 上の課題で直上せずに、左側の棚をトラバースして、最後はカチを経由してマントル返す課題。最後のカチを取り切れずにフテ寝
・Mr. Pink Eyes V0(未完登)
 私がフテ寝している間に他のみなさんは大きい方の岩へ移動。
 この課題は、V0ながらトポで★3つのオススメ課題。スローパーをつないで直上する簡単そうな見た目だが、一手一手が遠い上に高さがあり、スローパーが甘いので、緊張感のある課題。私は初手あたりで可能性を感じず、スポットに回る。
 4人のうち、一人だけ完登。素晴らしいー
・Midget Traverse V3(未完登)
 Mr. Pink Eyesができなかったので、トラバースやろうぜとなってトライ。岩を半周する楽しいトラバース。前半は棚のリップを、後半はほぼ真横に走ったクラックを使って延々トラバース。足も手も良いけど、ひたすら長いのと、最後の最後で明確な足がないので省エネで登らないとゴールのマントルが返せなくて崩れ落ちる課題。
 最初、トポをよく読まずトライして、半分地点まで行って、「登れたー!」とはしゃいでいたら間違いなことが判明(恥ずかしい)。改めてトライしたら、前述のとおり力尽きマントルを返せなくて終了。反省。4人のうち2人はしっかり完登。
 1回でめっちゃ体が温まるのでアップにオススメ。

Midget Traverseトライ中の図。写真の左側の端のカンテからスタートして、右奥のカンテまで続くトラバース。ちょうど真ん中ぐらいに来ている。
高さがないのであんまり怖くないのが素敵ポイント。(でもマット移動してもらいながらトライ。ありがとうございました)


B-1 Boulder
・No Holds Bard V7(未完登というかほぼトライしてない)
 ヨセミテに詳しい人のオススメ課題ということで、アップ後にこちらの課題へ移動。
 薄かぶりだけど、垂直に近い壁をまっすぐ登るカッコいい課題。(上記写真)
 下地もいいので、私以外の3人は登る気まんまんだったが、なんと初手が遠すぎて取れないというまさかの事態に。
 私も試しにトライしてみたが、うーん、さっぱり。
 みんなでぼんやり岩を見つめながらお昼ご飯。


この日の行動食、というかお昼ご飯。ヌテラもどき+バナナをベーグルでサンドしたやつは鉄板。
No Holds Bardへの移動中に、すっころび、手のひらを木の枝かなんかでえぐってしまい、テンションダダ落ちしたものの、甘いものでほっこりできた。
ただこの傷も、すぐにキズパワーパッドで手当したら、あんまり痛みを感じることなくその後も問題なく登ることができた。スローパーを持つときもあんまり干渉しない場所だったのも不幸中の幸い。
キズパワーパッド大事ですね、という話でした。


エリアからの眺め。こちらの巨壁は、Camp4のちょうど向かい側ぐらいにある、Sentinel Rock。
良い天気で気持ちが良い。

エリア:Half Dome Village(旧 Curry Village)
午後はエリアを変えて、Half Dome Village(旧 Curry Village)へ。

Half Dome Villageは、キャビンやロッジ、宿泊関連施設(シャワーとか)、ショップ、フードコード、ピザ屋、などが集まる場所。ここに泊まる人も多いらしく駐車場は大きいけれどいつも埋まり気味。(探せばだいたい停められる)
数年前にCurry Villageから名称変更&ロッジの場所移動があったようで、トポには「キャビンNo78の横にあるカンテを登る」など書いてあるが、場所は参考にならない。
Half Dome Villageのバス停とかある道を、とにかく西側に進んで、西側の端あたりのロッジの裏側へ回るとゴロゴロ岩があるので、その辺がエリア。
(去年探すのがめっちゃ大変だった)
10月のことしかわからないけど、基本的に陽が差さないエリア。極寒ではないけれど、他のエリアより冷えるので、昼間でも上着があったほうが良い。
比較的低めの岩が多いので、トライしやすい。

何はさておき、私のクライミングパンツを買わねば、ということで、ヨセミテバレー唯一のMountain Geer Shopへ。
ちょうど夏物のセールをやっていたので、他のメンバーも半袖とかいろいろ購入。
私は結局ストレッチが効いて履きやすかったprAnaのパンツを購入!
しかも冬仕様の裏起毛で温かい…。
Mensだけどサイズが合ってよかった。
ちなみに、後日他のメンバーのクライミングパンツにも穴が見つかり、全く同じ商品を購入したという話もあり。
ヨセミテはパンツに穴が空きやすい…のかな…。


The Zorro Boulder
・Zorro V4(未完登)
 エリアの一番西側に位置する岩。比較的高さはあるけどクライムダウンがハートに優しい岩(大事)。
 足がいまひとつはっきりない下部をスタートして、岩の名前にもなっているZ字型のフレークのガバとカチを抑えて、ランジ気味に立ち上がり遠くのガバを取る課題。
 ガバ取りに失敗すると、割と高いところから落ちるのと、下地に岩があるのでちょっと怖い。
 4人のうち一人が、思い切ってランジしたところ、足切らなくてもガバに届く、ということがわかる。俄然やる気を出て、みんなで延々飛び出し続ける。
 私以外は無事完登。私も、指先がガバに引っかるところまで行くが完登ならず。
 ガバが止まると大変気持ち良い、というのが皆さんの感想。うらやま。

・Unnamed V5(未トライ)
 Zorroの右側のカンテを登るライン。右手でカンテ沿いのスローパーをうまく抑えつつ、Zorro側のラインの方も抱きしめつつ、というパワフルな課題。
 Zorroを登れた人がトライするも、この日は登れず。

Root Canal Boulder
・Root Canal V7(未完登)
 TKBの宿題課題。この日はZorroで日暮れまで登ってしまったので、軽く触るだけ。
 上部のヌケが今ひとつわからなーいとみんなであーだこーだ言いながら終了。
 私は、スタートすらできなくてしょんぼりしながら帰路へ。


Half Dome Villageから見えた、夕焼けに染まるHalf Dome。
夕焼けのうち、岩が赤く染まるのは一瞬。なんとも言えない美しさ。


この日の夕飯は、トルティーヤでソーセージやサラダを巻いたものと、オーブンで焼いた出来合いのピザ。
トルティーヤは何を巻いても美味しいので万能だよね〜ということが分かる。
日本でも売ってくれないかな。

マルチに行ったチームの写真を見たり、こちらチームが登った動画をみんなで見たりして盛り上がる。
そして気がつくとソファの上で誰か寝始める。
そんな感じで二日目も終了。


■3日目 ヨセミテで初リード


2018年10月22日(月)
この日は、私とTKBがロープチームに混ぜてもらい、またまたボルダー組と分かれて行動。
外でのリード経験が少なく、トラッドルートの経験もないので、ロープチームの2人におんぶにだっこ状態だったけど、貴重な経験だった。
ロープチームの2人が、前日マルチのガイドさんに、オススメのボルトルートをいくつか教えてもらったので、その情報を頼りに岩場探し。

岩場探しの前に、Camp4の近くにある、Yosemite Valley Lodgeにあるフードコートとスタバ(!)に立ち寄る。
ヨセミテにスタバができてるなんて〜というミーハー根性からわざわざ寄らせてもらった。



行ってみてびっくり。昨年来たときは、大学の学食みたいだったフードコードがオートオーダーマシンも備えて綺麗なフードコートに生まれ変わっていた。

スタバの壁には、Yosemite Valleyの絵が。

フードコートに隅には、Black Diamondのクラッシュパッドソファーが!
家にこれが欲しい!と話題に。
電源なんかもあり、時間によってはここでノートPCでノマドっぽく作業してる人もいた。おっしゃれ。

わぁわぁ言いつつ、岩場探しへ。
いくつか目星を付けて車をスタートさせるも、岩場までのトレイルが見つけられなかったり、駐車場が見つけられなかったり…で、バレーの西側にある、Five and Dimeという岩場に至る駐車場に到着。
こちらのFive and Dime、トポの地図上の場所が間違っていて一時車内は混乱。
(トポ地図上で3番にあたるのがFive and Dimeエリアと、記載されているが、実際の場所は2番と記されたところだった)
結局、各エリアのアプローチの説明文に従うのが正解だった。
初めてのエリア見つけるのは難しい。

エリア:Five and Dime
トンネルの下にある急な坂道を下った先にある岩場。

こんな感じでトンネルの脇にある道を下る。


・Mockery 5.8
★4つながら、「hard 5.8」という記載のある課題。
1ピン目が遠いけど、手も足も良い登りやすい課題。ただ、カンテを回り込むようにして登るので長い。50mロープでピンピンだった。ヨセミテでは普通なのかも?
私の、初のマスターオンサイトになった課題。
振り返れば難しいところはなかったけど、フレークから出る時や、カンテを回り込むのときの恐怖心を克服するのが大変だった。3回ぐらい「お母ーーーーさーーん!」と叫んだ。
なにげに終了点にクリップするときの足がハイステップ&手があんまり良くないのもポイント。

2ピン目クリップ後。ここで凹角から緩やかなフェイス面に出ていく。怖い。

終了点クリップ後。この時やっと景色を見る余裕が出た。
登っているときは「何故私はこんなことやってるんだろう?」と思うのに、また登ってしまうのがロープの不思議。

・Bijou 5.10c
  ロープの経験豊富なメンバー2人にマスターしてもらい、リードでトライした課題。
 カンテというか岩の出っ張った部分をヒールを多様して登る。
 そういうところを登っていると自分が空中に放り出された感が強くて怖いよね、ということで、5回ぐらいテンションかけて登った。でも、ヒールありハイステップありで楽しい課題だった。

 もはや腕がパンプして、核心は超えたがガバも持てなくなっているあたり。
 他の皆さんは、2回めのトライで無事RPだったり、1テンだったりと良い感じに登っていた。


この日のお昼ご飯。ハム&チーズも安心の美味しさ。
このエリアでは、他のクライマーも結構多く、順番待ちしたり、終了点を使わせてもらったりして登った。
ビール(多分)&上裸(女の子はスポブラ)&音楽かけながら楽しく登っているパーティも。私がMockery登ったらハイタッチしてくれたりして、ご機嫌な雰囲気をおすそ分けしてもらった。

この日はほぼこのエリアで終了。


帰り道に、ちょうど夕焼けが綺麗だったので、トンネルビューというビューポイントに寄り道。


この日の夕飯は鍋!
日本食スーパーで鍋の素が売っていたので。
カセットコンロは宿のキッチンの火力が弱かったときのために持参。ガスボンベは日本食スーパーのNijiyaに売ってた。
しかし、自炊してたせいか、それほど日本食は恋しくならず。

各チームの写真や動画を見せあって、就寝。
宿には電波が入らなかったのだけど、お互いのクライミング動画を見せ合ったり、写真で振り返ったりするだけでかなり楽しかった。


■4日目 Zorro登れたよ!


2018年10月23日(火)
この日からは全員でボルダー。ロープチームがまだ行ってなかったHalf Dome Villageを再訪。

エリア:Half Dome Village
The Angler Boulder
まずはアップのために、こちらの岩のやさしめ課題を触る。
・Unnamed V2
 カチをつなげて、カンテをマントル返す課題。わりと持ちやすいカチだけど、足を気付けないと滑る。
・Unnamed V2(未完登)
 上記の課題を直上するライン。リップを取るための足が信頼しきれず終了。
・Unnamed V0
 ★2つの課題。スタートの一手が出しにくくみんなで足を探す。初手が取れて無事完登。

クライムダウンが隣の小さな岩に飛び移るか、VBのガバガバ課題を降りるか、の2択だったのがこの岩の一番難しかったところ…。
岩の名前にもなっている、The Angler V3という課題もあったけれど、Zorroを登りたかったので触らず。

The Zorro Boulder
・Zorro V4
 この日は2パーティぐらいがすでにZorroにトライ中。
 ムーブは先日に組み上がっていたので、頭の中でしっかり反芻して、とにかくフレッシュなうちに決めたいな、と思いトライ。
 そうしたら、1登目ですっと足に乗り込めてガバが取れて登れた!!
 思わず出た言葉が「登れちゃった」なのが情けなかったけど、嬉しかった!

ガバが取れたことにびっくりして、その後のマントル返しにまごつく私。

・Unnamed V5(未完登)
 そして、こちらのV5にトライしていたメンバー2人も無事完登。私は2手目ぐらいで力尽きました。
 お強いおにーちゃんが颯爽とやってきて、ZorroとUnnamed V5をさくっと登って去っていったのが印象的。


Root Canal Boulder
・Root Canal V7(未完登)
 Zorroでさんざ楽しんだあと、Root Canalも再訪。
 こちらにも、サンフランシスコに住んでいるというお強いお姉さんパーティがいて、一緒にセッション。お姉さんは体格は小さいものの、一度登ったというこの課題をあっさり完登。
 お姉さんのアドバイスをウケて、TKBは無事完登!
 他のメンバーも私も結構高度をあげられて満足度の高いクライミングに。
 お姉さんありがとう!


Root Canalでだいぶ盛り上がり、お昼というかおやつタイムにみんなで、Half Dome Villageのピザ屋でお昼ご飯。ヨセミテ園内での唯一の外食だった。
ここのピザ美味しいんです。

そしてピザのおこぼれを狙うリスや鳥さんもたくさん。
(野生動物なので餌付けは禁止)

この日は結局、このエリアのみで終了。
明日が最終日なので、早めに休んで早めに登ることに。
夕飯もピザが遅かったので、スープとサラダで軽く済ます。 


■5日目 Camp4とCathedral Bouldersへ


2018年10月23日(火)
ライミング的には最終日のこの日、ちょっと早起きして、さくっと朝食を食べ出発。一度、Waonaにある園内のガソリンスタンド(ちなみに、現金が必要でした)で給油してからCamp4へ。
最終日なので、やっぱりMidnight lightningを触ろうということに。


エリア:Camp4 East
無名
有名なBachar Crackerのある岩でアップ。
・The Largo Lunge V0
 ちょっと遠いけど棚ガバを登っていくライン。あれ、ランジしてないな…。
 登りやすいけど、マントル返した先もゆるくスラブが続くので注意が必要。
・Bachar Cracker V4(未完登)
 未完登というか、スタートすら怪しい。岩の下部から上部までほぼまっすぐのクラックが走る、クラック好きにはたまらない課題。
 ジャミングの技術がない私は、主にスポット担当。
 下部は、洞窟っぽくなっているところを登るので、岩に頭を打ちそうで結構怖い。


Bachar Crackerの前でコーヒータイム。


エリア:Camp4 Columbia Boulders
Big Columbia
・Midnight lightning V8(未完登)
 言わずとしれた有名課題。この日はみんなのアドバイスをもらって、初手を取って立ち上がるところまで行けた。完登にはほど遠いけど、進捗があって嬉しい。
 一番進んだ1人は、核心のマッチ取りに惜しくも届かず。

 一回一回の負荷が高いので、時間で区切って次のエリアに行くことに。


Midnight lightningを前にしてお昼ごはん。
食が充実したツアーだった。

エリア:Cathedral Boulders
駐車場はわかりやすかったけど、トレイルを見つけられず一度森の中で迷う。
帰り道にちゃんとしたトレイルがあり、トレイルの入り口にはケルン(積み上げが石)があった。なるほど、ケルン大事ですね。
かなり変則的に進んだが、人がいたので無事The Hex Boulderを見つける。

The Hex Boulder
・Ladder Detail V5(未完登)
 スタートのガバから、遠いスローパをばしっととめる課題。
 乗り込みが下手すぎて、遠心力で地面に転がること数回。トポのムーブと異なるけど、YouTubeで見つけたムーブにトライ。
 こちらのムーブは比較的登りやすいので、グレード変わるんちゃうか?という話もあったけど、トラバースにヒールの踏み込みにレイバックに、とムーブが多彩なので面白いかった。しかしレイバックのバランスが取りきれず、完登ならず。


・The Octagon V6(未トライ)
 名前がカッコいい。そして高くてカッコいい課題。
 先にいたお兄ちゃんたちもトライしていたが、上部がなかなか取りづらそう。
 私は主にスポット担当。

そして、この岩場で偶然、Tommy Caldwellに遭遇!
息子さんと一緒に課題にトライしたり、先にいたパーティの人にムーブを教えたり、とゆったり岩場を楽しんでいた。
もしやーと思い、拙い英語で話しかけると、笑顔で握手してくれた。
恐縮だったが、写真も一緒に取ってくれて、なんて良い人なんだ…と感動。
ツアーの最後にいい思い出ができた。

ここのエリアで17時を迎えて、タイムアップ。
翌日が3時起きなので、いろいろ名残はあるものの宿へ戻る。


帰り道にみた、El Capitan
いつ見ても壮大で現実感のない壁。ずーっと見ていても見飽きない。
いつかこの壁にトライすることがあるだろうか?なんだか圧倒的すぎて今はまだ想像できない。
ちなみに、スペイン後で「族長の岩」という意味らしい。


最後の晩餐はまたまたトルティーヤとピザ。
余り物をすべて包んで美味しくごちそうさま。
荷造りしたり、宿を片付けたりしつつ、21時〜22時には就寝。


■6日目 帰路


2018年10月25日(木)
朝3時に起きて、4時に出発し、月明かりの中えんえん走ってサンフランシスコを目指す。
前日に作っておいたサンドイッチなど食べながら朝日見たり。
途中休憩はさみつつ、サンフランシスコの空港に着いたのは10時半。
フライトは12時だったので、ギリギリ。
8~9時台は、サンフランシスコに向かう渋滞があるので、もう1時間ズレていれば渋滞なかったかもねーという感じだった。
運転お疲れ様でした。

空港到着後は、滞りなく出国、搭乗して、翌26日(金)の日本に到着。
時差ボケでフラフラになりつつもみんな無事帰宅。
楽しいながらもあっという間の一週間だった。


■宿とSIMについて



今回の宿はヨセミテ園内の、Yosemite Westにあるロッジ。
2バスルーム、6人用のベッド、キッチン(冷蔵庫、オーブン、ラジエントヒーター、食洗機付)、洗濯機&乾燥機付、という充実した設備で、超快適に過ごせた。
特に食洗機と洗濯機&乾燥機は神だった。乾燥機がガス式なのか6人分の洗濯物が30分で乾くのには感動した。

一点だけ、写真の通り駐車場から宿まで89段の階段を登ることを除いては…。
最初に食材を運ぶために何往復もしたときはちょっと気が遠くなった。
他のロッジに比べて安かったのはこのためか…。

宿にWiFiはなく、携帯も圏外。
オフラインで呼吸ができないことを不安にしていたメンバーもいたけど、その日の写真や動画を見せあっていたら結構楽しく過ごせることが判明。
バラバラに行動した際に、宿にいる、という連絡ができないのが不便だったかも。
バレーの中は、一部電波が通じるので、バレー内では別行動してもなんとかなった。


ちなみに今回は、AT&TのSIMをMOST SIMというところから購入。
日本にいるうちに、Amazonで上記を購入、説明書に従って出発前にアクティベーション予約をして、飛行機内でSIMを入れ替え、サンフランシスコ空港でフライトモードをオフにしたら、すぐに問題なく使えた。
(機種によっては、一度空港WiFiに接続したら、APN名の登録をする必要があるみたい。私の機種は、iPhone SE SIMフリー版)

サンフランシスコ〜マーセド(Merced)という街までは基本何の問題もなく使えた。
ヨセミテ公園最寄りの街、Mariposaでも電波は入ったが、街中以外は圏外か電波0本という感じだった。
今回は上記SIMが、
・日本国内で事前に買える
アクティベーションも国内で事前に予約可能
・現地で買うSIMに比べても高くない
ので、選んだが、正直6GBを使い切るのは無理…。3GBでも余らせる自信がある。
とはいえ、ヨセミテにたどり着くまで、2つの車の間でちゃんと連絡が取れて、無事全員でヨセミテに着けたので、SIMを買った目的は達成できたかなと。

ちなみに、アメリカ旅行に慣れた猛者は、Amazon.comのアカウントで買い物をし、Amazon Go(Amazonの荷物を受け取れるロッカー、スーパーなどに設置されている)を受け取り場所に指定してSIMを買っているらしい…。
次はそんなやり方にもトライしてみたい。 


■ごはんについて


さんざ書いたけれど、自分が買って便利&良かったと思ったもの。
自分が自炊が好きなので、ほぼロッジでご飯を作って食べた。
6人分ってどうなるんじゃろと思ったけど、便利な食材が多かったので、みんなで手分けして準備ができてよかった。

・ベビーリーフなどの詰め合わせパック(そのまま食べられる、すぐサラダできる)
・カット済み野菜(洗ってあるのでそのまま調理できる)
・加熱済みのハム、ソーセージ(サンドイッチづくりに便利)
・ベーグル・パン類(カット済みで結構日持ちした、サンドイッチry)
・トルティーヤ(こちらも日持ちするし、包むだけでご飯になる)
・出来合いのピザ(the簡単)

洗浄済み、カット済みのもの、便利〜。
あと全体的になんでも日持ちした気がする。空気が乾いてるから?

 


■その他



帰り道によく見ていた光景。
El Capitanで残業中の皆さんの明かり。
登っている人は必死だろうけど、遠くから眺めていると星のようで美しかった。
滞在中は月が明るくて、岩肌も綺麗に見えたのも良かった。


リスが食べた松ぼっくりはエビフライに似ている問題。
いろんな植物や動物に出会って、もっと名前を知りたいなと思いつつ過ごした日々だった。


とりあえず、一週間じゃ足りないねーというのがみんなの感想。
また行きたい、また登りたい。
次はいつになるのかわからないけど、夢のような一週間だった。
楽しく過ごせたのは、メンバーと出会った人たちのおかげです。
事前の情報をくれた人にも感謝です。
本当にありがとう。

※写真は、綺麗に撮れているのはだいたいTKBのを拝借しました。ありがとう!